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伝説の客船 再生への道?




伝説つながりでもう一つ紹介したいものがあります

こんばんは、くじら座元帥であります。



アメリカ東海岸からちょっと内陸にあるペンシルバニア州フィラデルフィアにその伝説の客船はあります
その名は「SS United States」
大西洋航路の末期を知る、当時世界最速記録「ブルーリボン賞」を持っていた栄華のある豪華客船であった。








ユナイテッドステーツはアメリカが生み出した最速の客船である。
彼女が「伝説」と言われるゆえんは後述するとして、彼女が生まれるまでを完結に紹介しよう。

彼女が計画されていた時代はまだ戦時中で、かつてはオーシャンライナーと呼ばれていた豪華客船などを改造し、兵員を輸送する輸送艦として大西洋航路などに投入されていた。
当時兵員輸送艦として最も有名だったのはイギリスの豪華客船クィーンエリザベスとクィーンメリーであろう。








ニューヨーク港に接岸するクィーンメリー(左)とフレンチラインの「ノルマンディ」



クィーンメリーは現在、博物船・ホテル船として保存されている。






ユナイテッドステーツは第2次世界大戦中イギリス海軍に徴用されていたイギリス製豪華客船を改造した人員輸送艦を補助するために計画され、ユナイテッドステーツラインに発注された。
なお、建造費はUS社と合衆国が共同で出し(合衆国側は5000万ドル US社は2940万ドル(当時のレート))建造はアメリカ海軍と共同となった。
そのため客船としては珍しく「軍艦仕様」であり、ダメージコントロールに重点が置かれた船となっている








彼女はそんな時代のニーズに合わせ有事は輸送艦として、平時は豪華客船として使用できるように設計された。
建造にあたっては海軍の意見が存分に発揮され、耐火・水密・防御などに重点が置かれ、主に内装は木製調度品などは極力排除され金属のアートやガラスといった非燃材料が多用された
それはキャビン内のチェストや衣類掛け(ハンガー)まで及び、ハンガーはアルミ製だったという。

本船の構造はアルミ合金で出来ているが、当時の懸念材料であった独国のUボートによる魚雷攻撃を想定して船体下部は鋼鉄で造られた
このふたつの異なる材質をつなげる技術が開発され、これによって彼女は同規模の客船と比べて大幅な軽量化が達成された。
それでは本船の概要をここで紹介しておこう!








船名:「SS United States
建造年:1952年
造船所:Newport News Shipbuilding
総トン数:53.329t
全長:301.8m
全幅:30.8m
デッキ数:12層
主機関:フォスター・ホイーラーウェスティングハウス蒸気タービン 8基
軸数:4軸
出力:220.000馬力(公試では241.785馬力を記録)
速力:35.6ノット(約 65.93 km/h ブルーリボン賞受賞時)
   38.32ノット(約 70.97 km/h 公試記録速度)
旅客定員:1920名
乗組員:900人



US社には彼女以外にも「America」がおり、この2隻でユナイテッドステーツラインを牽引した。
ただし、Americaのほうが先輩。1940年8月竣工




このAmericaには不運な最後があった。
アメリカはユナイテッド・ステーツに比べると奇抜さや堅苦しさがなく、とても落ち着いたライナーであるとして多くのアメリカ人に親しまれていた。
が、1963年ごろにUS社が貨物取扱専用となったことを受けて売却先を探すことになったのである
1964年にギリシャのドリス・ラインでクルーズ船として活躍後、老朽化のため1980年台に引退。
1993年にマレーシアのプーケットにて洋上ホテルとして誘いがあり、マレーシアへの回航途中大西洋上で難破してしまった。
その後漂流を続け…スペイン領のフエルテベントゥラ島に漂着した。
漂着した直後であれば回収して回航が再開できたのだが、何故か放棄されその後亀裂が入り2つに折れてしまい、波浪によって船体が破壊された
2007年に船体は崩壊し沈没してしまった。


朽ち果てていく好きな客船の写真を載せるのはあんまり進まないですけど…






話は戻りまして。





現在のユナイテッドステーツは保存会があるもののほぼ機能してないと言っていいでしょう。
まぁモノがモノだけにその維持費が莫大なものだからです。







まさに「死んだフネ」そのものです
1969年の旅客取扱廃止によって働き先を失った彼女は複数回船主が変わり、ある時はトルコに行ったり…またある時はウクライナに赴いてアスベストの除去などを行った。
最終的にこのフィラデルフィアの係船堀りに96年から係留されています。
係留された当時はまだそこそこ綺麗だったんですが…

また船内は84年に船内の家具類が売却された上、アスベスト除去などの対策のおかげで船内はかつての栄華をほとんど残してはいません
それどころかその除去のおかげでますます廃墟化しているとも…
オバケが出ないだけまだマシかな?








そんななか彼女にこれまた不思議な話が舞い込んできました!
クリスタルクルーズが彼女を購入してクルーズ船として復活させたい と言ってきたのです!!








クリスタルクルーズの経営責任者(CEO)イーディ・ロドリゲスが会見し、ユナイテッドステーツを購入し再建し、クルーズに復帰させる用意があると語りました


しかし荒廃の進んでいる彼女を再建させるには多大な労力と資金がかかることは明白です。
会見では改修予定費用が示され700万ドル~800万ドル
日本円でおおよそ7億6000万円以上かかると言われています。

おや?結構安いんでないかい?建造にかかったお金が大体77億円ほどなのに、1000万ドル切るんだと思ったら…
「400室の豪華スィートを用意し、800名様をお迎えできるようにしたい」とのこと。
ということは昔ながらのUSではなくなるかもしれない?

どうやらそのようです
デイリープレスの報道では「プロムナードやナバホラウンジなど一部のオリジナルが残される」と。

また、ニューヨーク港をゆく完成予想図を見てみても、なんとなくそれらしい雰囲気だけ残す感じがしてイケスかんのぅ。
他に出回っている完成予想図を見てみても…







う~む。






ムムムム・・・
全体的に中途半端感が残ります
昨今の安全対策で上デッキに救命ボートを配するカタチは基本的に禁止されているそうなのでどうしても下層か、中央辺りに配するようになってしまうんですよね…


個人的な意見ですが、この予想図なんかに似ていると思ったら








これに似ている気がしました!
フネキチな皆さんの批判は甘んじて受けませう。そう見えたんです








ちなみに引き合いに出した「フランス」ですが、向こうでも同じような計画があるらしく
こんな完成予想図がでてました。
もっとも、完成するかどうかわからないんですが、意外とイマドキのフネっぽくなくて良いんじゃない?
ねぇ!ARCadiaさん?プニップさん?フネキチさん?師匠S4さん?









それでもやっぱりこのカタチを残しつつやって欲しいですね!
第2のタイタニック計画にならないことを祈ってます。








いつか眩いあの頃のように洋上をゆく彼女を想像して…






伝説の客船が復帰するかもしれないお話でした



デハっ!

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コメント

No title

機関車に続き充実の記事ですね、ホント。
建造時の熱気が伝わってきます。

昔々、レベルのUSを作った時、甲板は説明書の指示通りのグリーンを「こんな色の甲板なんてあるのかなあ」なんて思いながら塗ったものです。
完成してからも「何だかなあ」と違和感がありました。グリーンにもいろいろありますからね。

後年、カラー写真やモデルを見ると確かにグリーンだったのでチョット安堵したのですが、有事に備えてとはいえ、どうもグリーンの甲板には馴染めません。
(今はグリーンやブルーが当たり前ですが)

No title

おはようございます。
次は船の伝説ですね(^^)
兵員輸送用に建造されたわりには、建造が始まったのは第二次大戦後なんですね?
諸外国ではどこでも輸送艦が不足して、客船を徴用されます。
フォークランド紛争でも、イギリスでも客船が不足して、クイーンエリザベスが徴用されました☕(^^)
完成予想図の船体の上部を見ると、近代的ですが、船体の色と二本の煙突、何となくタイタニックを連想してしまいます(^-^;

No title

こんばんは、老師ARCadiaさん
機関車の方はたまたまYouTubeの方で海外モノを徘徊していた時に見つけただけで、BBCが運良く見つかってくれてあとは調べるだけだったので簡単だったんですが…(笑)

こっちは資料集めで公開してない記事が3本も出来上がりましたよ(^^)
老師がおっしゃるレベルのやつはダグラスの飛行機とアメ車がセットになったやつでしたか?
もう一つもたしかあったはずですが、箱絵にスケール表記がなかったから見逃してました。 ・・・というか、今は絶滅してるか博物館の倉庫にしかないですよね?
金属製だと小西かなぁ…工藤さんとこやってれば手に入ったかもしれませんが。

No title

こんばんは、トツケン司令
車関係の方は詳しくないんでやれるとしたら鉄道か、船でしょうね

このユナイテッドステーツが活躍した時代はまだダグラスのDCシリーズなどが出る前でしたので、大陸間の移動はもっぱら船でしたので驚くほどではありませんよ♪
それに彼女もこれまでかかっていた航海よりも10時間以上短縮させたスゴイ船なんです。
そんな船を輸送艦にすれば、イギリス船よりも早く戦地に着ける。という発想だったそうです
ただ、実際に輸送任務に就いたことはありませんが。

あまりにもタイタニックが有名なのでアレですが、オーシャンライナーと呼ばれたこれらの船は大体黒い船体でした。
なぜ黒いのかって言うと、北米航路などを通過する際に船体から熱を逃がさないように黒くしていたっていう話があります。
もちろんそれ以外にも重要な枠割があるんですけどね

ちなみにタイタニックは煙突が4本で、そのうち3本は石炭火力のレシプロ機関の排気用。最後の一本は補助エンジンの排気熱タービンの煙突だそうです。
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